Nakagawa Sachi

都市でおこる色々な出来事について調査・研究をしている地理学者です。
「そこに居住し生活する人々の視点から地域を理解する」ことをモットーに、これまで全国のさまざまなところで調査をしてきました。

特に力を入れてきた研究としては、1950年代における神奈川県横浜市の盛り場の特性を明らかにしたものがあります。盛り場内部において生活していた娼婦に注目し、属性や移動経歴を検討することで彼女らの視点から盛り場をとらえたものです。

また、地方都市の商店街に関する研究も重ねてきました。近年大きな問題となっている中心市街地の空洞化について、地域の歴史的背景をふまえた上で、その実情を明らかにしてきました。

現在は、猫の保護および譲渡活動に関心を持っています。私自身、猫を飼っていることもあって、厳しい環境に身を置く猫たちを保護し新たな家庭での生活につなげる、こうした活動をしている方々に対して深い敬意を持っています。
なかでも特に、保護された猫の譲渡を行う猫カフェ、いわゆる保護猫カフェは、近年社会的にも注目を集める民間での保護・譲渡のひとつの形として、非常に興味深く感じています。しかしながら残念なことに、学術の世界ではまだまだ保護猫カフェに関する研究が進んでいません。私は調査・研究を通じて、少しでも猫の保護・譲渡活動の発展に貢献できればと考え日々活動しています。

くわえて最近、着物文化の維持と継承についての調査・研究も始めました。特に埼玉県の秩父銘仙に興味があります。
銘仙はいわゆる大正ロマン、大正レトロの文脈で語られることが多いですが、近年の若年層を中心としたアンティーク着物ブームとも深く関わっています。秩父銘仙のゆたかな歴史をふまえつつ、現代における多様な担い手に着目した、フレッシュな研究ができたらいいなと思っています。